ポータルサイトのビジネスモデルには、広告枠の販売やクリック型広告、成功報酬型広告など、いくつかのパターンがあります。本記事では、ポータルサイトの代表的なビジネスモデルの種類を紹介するとともに、ポータルサイトを作成するメリットや作成方法、事例などを詳しく掘り下げます。
ポータルサイトとは?

ポータルサイトとは、さまざまな情報が集まる「入り口」のようなWebサイトのことです。ユーザーは、必要な情報を効率良く探し出せるため、日常的に利用価値の高いサイトといえます。一方、運営側にとって、ポータルサイトは多くのユーザーにアプローチできるプラットフォームです。商品やサービスの認知度を高めたり、収益のチャンスを広げたりする効果を期待できます。
ユーザーにも運営側にもメリットがあるポータルサイトは、幅広い業種で導入されており、戦略的な情報発信やマーケティングの手段として活用されています。 ポータルサイトについては、「ポータルサイトとは?作成するメリットや活用事例を紹介」でも詳しく解説しています。
ポータルサイトの種類
ポータルサイトには、下記のようにいくつかの種類があります。代表的なポータルサイトをご紹介します。
- 総合型ポータルサイト:ニュースや天気、検索エンジンなど多様なサービスを一括して提供する
- 専門型ポータルサイト:飲食店や医療、求人、不動産など、1つの分野に特化して専門的な情報を提供する
- 地域ポータルサイト:特定の地域における店舗や観光スポットなどの情報を集約する
- 企業ポータルサイト:企業内のコミュニケーションやニュースを提供する
ひと口にポータルサイトといっても、目的によって内容が大きく異なるため、制作前にどのような種類のサイトにしたいのかを明確にすることが大切です。
ポータルサイトの代表例
ポータルサイトには、下記のようにいくつかの種類があります。代表的なポータルサイトをご紹介します。
- 総合型ポータルサイト:Google、Yahoo! JAPAN
- 専門型ポータルサイト:飲食店や医療、求人、不動産など、1つの分野に特化して専門的な情報を提供する
- 専門型ポータルサイト:SUUMO、ぐるなび、リクナビNEXT
- 地域ポータルサイト:iタウンページ、みんなの介護
また、この他にもユーザーからのリアルな口コミを閲覧できる「口コミ型ポータルサイト」の代表例として「価格.com」や「食べログ」「@cosme」などがあります。
ポータルサイトのビジネスモデルとは?
ポータルサイトの代表的なビジネスモデルを5つ紹介します。
広告枠の販売
ポータルサイトにおける「広告枠の販売」とは、クライアントに向けてサイト内の広告枠を販売し、広告を掲載してもらうことで収益を得る方法です。掲載料として継続的に収益を得られるため、安定したビジネスモデルといえます。広告を掲載する場所や大きさによって販売価格を変動させることで、クライアントの多様なニーズにも応えられるでしょう。 商品購入や申し込みにつながらなくても収益を得られるのがメリットである反面、多くのアクセスを集め、ユーザーの満足度を向上させるコンテンツ作りが求められます。
クリック型広告
クリック型広告は、ユーザーが広告をクリックする度に広告主からの報酬が発生するビジネスモデルです。代表的なものにはGoogle AdSenseなどがあり、サイトの閲覧数や滞在時間が多いほど収益化のチャンスが広がります。 1クリックあたりは低価格なケースが多いため、運営側はサイトの集客力を高めることで、安定した広告費を得られるようになります。クリック型広告を設置する際は、ポータルサイトのデザインやコンテンツを邪魔しないような設定にしましょう。
掲載型の固定課金
掲載型の固定課金によるビジネスモデルとは、商品やサービスをPRしたい企業から情報掲載の依頼を受け、その掲載料を収益とする仕組みのことです。主に地域型ポータルサイトや専門型ポータルサイトなど、ユーザー層が明確なサイトで採用されています。 クリック型広告のようにユーザーの行動に依存せず、週単位・月単位など一定期間の掲載を契約することで、収益をコントロールしやすい点がメリットです。一方で、サイトへのアクセスが少ないと企業側にとっては固定課金のメリットがないため、継続的に集客できるような工夫が欠かせません。
成功報酬型広告(アフィリエイト)
成功報酬型広告とは「アフィリエイト」とも呼ばれ、成果に応じて報酬を得られるビジネスモデルを指します。ポータルサイトに掲載している広告を通して、商品の購入や資料請求、アプリのインストールなどがなされた場合に報酬が発生します。 成果が発生したときにだけ費用が発生するため、広告を掲載する企業側にとっても低リスクで始められることから、運営側にとっても広告主を獲得しやすい点がメリットです。一方で、収益は成果の有無によるため、質の高いコンテンツ作りが求められます。
エンドユーザーから直接課金を得る
エンドユーザーからの課金型は、サイトの利用者から直接料金を受け取るビジネスモデルです。月額課金や有料会員、ダウンロード課金などの形で収益を得ます。プレミアム機能や限定コンテンツを提供することで、継続的な収益が見込めるでしょう。 専門性の高い情報や独自サービスを扱うポータルサイトに向いており、ユーザー満足度を高めながら、安定的な収益基盤を築けます。
ポータルサイトを作成するメリット

ポータルサイトを作成する主なメリットは以下の2つです。
- アクセス数の増加が期待できる
- SEOの効果が期待できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アクセス数の増加が期待できる
ポータルサイトを作成することで、アクセス数の増加を期待できます。1つの分野に特化した専門型ポータルサイトでは、その分野に関するさまざまな情報が集約されています。その分野について関心を持つユーザーが、「〇〇について知りたい」「サービスを探したい」と思ったとき、情報収集の入り口としてそのサイトを選ぶ可能性が高くなるでしょう。
情報が一元化されたポータルサイトは、検索エンジンで一つひとつ情報を探すよりも利便性が高く、結果としてアクセスを集めやすくなるのです。
SEOの効果が期待できる
SEOの効果が期待できる点も、ポータルサイトを作成するメリットです。特定の分野に関する情報を網羅的に掲載するポータルサイトでは、関連するキーワードを多く含むページが自然と増えます。その結果、検索エンジンからの評価が高まり、検索結果で上位に表示される可能性が高まります。
検索結果で上位に表示されれば、アクセス数はさらに増え、信頼性や認知度の向上、収益の増加も期待できるでしょう。
ポータルサイトの作成から運用までの手順
ポータルサイトを作成してから運用に至るまでの手順を解説します。
ジャンルや目的を決める
まずは、どの分野のポータルサイトを作りたいのか、ジャンルと目的を明確にしましょう。求人や不動産、地域情報など、ジャンルによって必要な機能や、狙いたいターゲット層が大きく異なります。初期段階で明確にしておくと、後の設計や集客戦略がスムーズになります。
サイトのコンセプト設計
ポータルサイトの方向性を定めるために、コンセプトを設計します。ユーザーが「このサイトで得られる価値」を明確にし、他社との差別化ポイントも整理しておきましょう。その上でデザインや機能、トーンなどを一貫させることで、ユーザーの印象にも残りやすくなります。
マネタイズまでの戦略策定
サイトを運営する上で、収益化の仕組みを事前に考えておくことが大切です。ポータルサイトは、制作したら終わりではありません。長期的に安定した運用を行うために、広告収入や掲載料、課金制などビジネスモデルに応じた戦略を立てましょう。
SEO対策
検索エンジンからの流入を増やすために、SEO対策は欠かせない施策の一つです。キーワード選定や内部リンク構造の最適化、コンテンツの品質向上などを意識しましょう。検索上位を目指すことで、自然検索から安定的にユーザーを獲得できます。ただし、SEOの基準は定期的にアップデートされるため、SEO対策も継続して行う必要があります。
コンテンツ制作
ポータルサイトの価値を高めるためには、ユーザーのニーズに応えるコンテンツ制作が重要です。最新情報や専門知識をわかりやすく発信する、質の高いコンテンツを準備することで、ユーザーからの信頼を得られます。ユーザーニーズを満たせればリピート率も向上し、継続的なアクセスを見込めるでしょう。
サイト立ち上げ後の営業・広告
サイトを公開したら、情報を掲載してもらうための営業活動が必要です。ポータルサイトの情報を充実させることでアクセスが増え、サイトも成長させることができます。 また、認知拡大には広告を有効活用することも検討しましょう。ターゲット層に合わせて、SNS広告やリスティング広告などを活用し、ユーザーの認知を広げることがポータルサイト成長の鍵となります。
サイトの運用
ポータルサイトを運用するフェーズでは、アクセス解析を行いながら改善を続けることが欠かせません。データをもとにコンテンツやUIを最適化し、ユーザー満足度向上につなげていきます。収集したデータを解析し、仮説を立て、より良いコンテンツ制作や新機能の追加などを行っていきましょう。
ポータルサイトの作成方法
ポータルサイトの作成方法は、2通りあります。
- CMSを使用する
- Webサイトの制作会社に依頼する
目的やサービス内容に応じた方法を選びましょう。ポータルサイトの作成方法については「ポータルサイトの作り方|制作手順や注意点を紹介」でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
CMSを使用する
ポータルサイトは、CMSを使用することで作成可能です。CMSとは、手軽に導入できるコンテンツ管理システムのことです。プログラミングの専門知識がなくても、直感的な操作でWebサイトを作成できます。
CMSのメリットは、導入の手軽さや費用を抑えられる点です。ただし、セキュリティリスクやカスタマイズの制約、管理の手間など、デメリットへの理解も必要です。
Webサイトの制作会社に依頼する
効果的かつ魅力的なポータルサイトを作成するなら、Webサイトの制作会社に依頼する方法がおすすめです。制作会社は、デザインやSEO対策、運用、セキュリティなど、専門的な知識と技術を持っているため、より効果的なポータルサイトを作成できます。管理や保守のサポートを受けられる場合もあり、安定的かつ長期的なサイト運用が行えるでしょう。
ポータルサイトで課金を提案するタイミング・ポイント
ポータルサイトの運用が軌道に乗り、掲載企業に一定の効果がみられるようになったタイミングは、課金を提案する絶好の機会です。たとえば無料掲載からスタートした場合、アクセス数や問い合わせ件数など成果が出始めた段階で、まずは正規料金の半額程度で有料掲載を提案してみましょう。通常価格が月額5万円とするならば、「今だけの特別価格です」といったように2.5万円で提案するイメージです。 ここで大切なポイントは、必ず「通常価格」を明示し、これが割引価格だということを理解してもらうことです。特別価格であることを伝えずに後から正規料金にすると、クライアントからはただ値上げをされた印象になりかねません。将来的な値上げに納得感を得てもらえるように、あくまでキャンペーン価格ということを伝えながら提案しましょう。
ポータルサイトの作成事例
ポータルサイトの作成事例をいくつか紹介します。事例を参考にし、サイトのイメージや構築のヒントを得ましょう。
iタウンページ
iタウンページは、エリアとジャンルを掛け合わせることで、お店や施設などの情報を検索できるポータルサイトです。そのほかにも、「職業別50音検索」「ジャンルから探す」「暮らしのコラム」など、さまざまな方法で検索できます。電話番号や地図、ルート案内など、検索に見合った店舗の詳細情報もすぐに確認できます。
バーベキューハック
バーベキューハックとは、バーベキュー場専用の検索ポータルサイトです。エリアや施設タイプ、条件・目的など、豊富な検索機能を備えているのが特徴です。「手ぶらで利用可能」「ペット可」「冬でもOK」など、さまざまなニーズに応じたバーベキュー場を簡単に見つけられます。人気ランキングや口コミなど、バーベキューを楽しむために役立つ情報も掲載されています。
セミナーベース
セミナーベースは、セミナー情報を扱うポータルサイトです。カテゴリや開催方法などから全国のセミナーを検索できるほか、予約数や閲覧数のランキングから人気のセミナーを見つけることも可能です。
セミナー開催者向けのサービスには、集客業務の代行や悩みを総合的に解決するセミナーコンサルティングなどがあります。セミナー開催に必要な機能を一つにまとめたツール「WebinarBase」も提供しています。
まとめ
ポータルサイトを作成する際は、サイトの目的や対象ユーザー、提供するサービス内容に応じて、最適なビジネスモデルを選択することが重要です。
ポータルサイトの立ち上げや運営、収益化に関してお悩みの方は、ぜひ弊社にご相談ください。1000サイト以上のポータル・マッチングを構築した豊富な経験とSEO手法、最新のWEB技術を活かし、構築から運営までをサポートをさせていただきます。

