社内ポータルサイトは、企業内の従業員のみが使用するWEBサイトです。社内の情報を集約することで、情報共有の円滑化が進み、業務の効率が向上します。 この記事では、社内ポータルサイトを構築するメリットや具体的な機能を紹介するとともに、作り方や構築時の注意点についても解説します。
社内ポータルサイトとは
社内ポータルサイトとは、社内のさまざまな情報や各アプリケーションにアクセスするための「入口」として機能するサイトを指します。社内ポータルとも呼ばれています。 ユーザーは、企業の従業員のみと限定的です。一般的なポータルサイト「Google」や「Yahoo! Japan」のように、外部の一般ユーザーがアクセスすることはできません。そのため、社内ニュースや人事情報、勤怠管理、業務マニュアルなど、企業内に関する重要な情報を安全に取り扱えます。 情報共有の円滑化や業務効率化を促進できることから、多くの企業が社内ポータルサイトの導入を進めています。
社内ポータルサイトを構築するメリット
社内ポータルサイトの構築には、業務効率の向上や社内のコミュニケーション活性化といったメリットがあります。ここでは代表的なメリットを3つ紹介します。
業務情報に簡単にアクセスできる
社内ポータルサイトを構築すると、従業員は業務情報へ簡単にアクセスできます。担当者に問い合わせる手間や回答を待つ時間を削減できるだけでなく、その時間をほかのコア業務へと充てることが可能となり、生産性の向上につながります。
社内のコミュニケーション活性化
社内のコミュニケーション活性化を促せることも、社内ポータルサイトを構築するメリットです。チャット機能が搭載された社内ポータルサイトなら、リアルタイムでのやりとりが可能です。気軽にコミュニケーションを取れるため、従業員同士は意思疎通がしやすく、関係性が深まります。
社内の情報が一元化できる
社内ポータルサイトを構築すると、社内の情報を一元化できます。情報検索に手間がかかったり、情報が属人化したりすることは、多くの企業が抱える悩みです。情報の散在を防止し、一元化することで、迅速かつ正確な情報共有が可能となります。
ペーパーレス化によるコスト削減
社内ポータルサイトで情報を共有すれば、紙媒体による情報伝達は不要となり、ペーパーレス化を促せます。紙の使用量が減るだけでなく、インクやトナーなどの使用量も減るため、大幅なコスト削減が期待できます。
社内ポータルサイトの代表的な機能
社内ポータルサイトにどのような機能を実装するかは、企業の規模や目的によって大きく異なります。ここでは社内ポータルサイトの代表的な機能をみてみましょう。
ワークフローの申請機能
ワークフローの申請機能は、交通費の精算や出張申請といった各種申請手続きを、社内ポータルサイト上で完結できる機能です。申請から承認までのプロセスを電子化でき、迅速な処理が実現します。
チャット機能
チャット機能は、従業員同士がリアルタイムで意思疎通を図れる機能です。会議やミーティングよりも気軽に意見交換ができ、迅速な情報共有も可能です。意思決定のスピードが早くなれば、業務効率も格段に向上します。
スケジュール管理機能
スケジュール管理機能は、会議の日程や社内イベント、個人のタスクなどを、カレンダー形式で一元管理できる機能です。企業全体のスケジュールを把握できるため、業務や会議などの予定調整が容易に行えます。
プロジェクト管理機能
プロジェクト管理機能は、担当者やスケジュール、進捗状況などを可視化できる機能です。最適なリソースの割り当てやトラブルの早期対応も可能となり、効率的かつ成功率の高いプロジェクト運用が実現します。
掲示板機能
掲示板機能では、企業内で共有すべき情報やお知らせを、全従業員へ速やかに周知できる機能です。情報共有の場所を問わないため、リモートワークや出張中の従業員も、遅延や漏れなく情報を受け取れます。
勤怠管理機能
勤怠管理機能は、出退勤登録をオンライン上で行える機能です。出退勤情報は自動で集約・集計されるため、タイムカードの回収やエクセルでの集計といった手作業での勤怠管理は不要となります。計算ミスのリスクも減り、勤怠管理の効率化と正確性が向上します。
顧客・案件管理機能
顧客・案件管理機能は、顧客の基本情報や過去の取引内容などを一元管理できる機能です。担当者一人で保有していた情報を社内で共有することで、情報の属人化を防げます。担当者の不在時にも業務が滞ることがなくなり、企業全体の生産性向上が期待できます。
社内ポータルサイトの作り方
社内ポータルサイトの作り方 は、大きく分けて2つあります。それぞれの作り方を解説します。
パッケージサービスの利用
パッケージシステムとは、あらかじめ必要な機能が組み込まれたシステムのことです。社内ポータルサイトを簡単に構築でき、すぐに利用を開始できるのが魅力です。 パッケージサービスによっては、自社のニーズに合わせた機能の追加やデザインの変更などができるものもあります。ベンダーによるサポートも受けられるため、運用に関する不明点や不具合があった場合も安心です。
外部の開発会社に委託して独自で構築する
外部の開発会社に委託し、独自の社内ポータルサイトを構築する方法もあります。自社のニーズに合わせて構築できる、いわばオーダーメイドの社内ポータルサイトです。将来的に機能を追加したり変更したりなど、カスタマイズ性の高さが魅力です。 ただし、開発から導入までには時間がかかり、コストも高額になる傾向があります。導入スケジュールや予算など、計画段階での慎重な検討が必要です。
社内ポータルを構築する際の注意点
社内ポータルサイトを構築する際の注意点を確認しておきましょう。
目的を明確にする
社内ポータルサイトの運用する際には、目的を明確にしてください。「何のために社内ポータルサイトを構築するのか」を明確にしておくと、必要な機能の選定がしやすくなります。
目的に合った要件定義を行う
目的に合った要件定義を行うことも、社内ポータルサイトの構築において重要な工程です。課題の洗い出しを行い、どのような機能が必要なのかを、要件定義として整理しましょう。
運用責任者を決める
社内ポータルサイトをスムーズに運用するためには、運用責任者の選定も必要です。運用責任者は、運用ルールを決定し、それを全従業員に周知させる役割を担います。統一されたルールを設けることで、無駄な混乱を防ぎ、社内ポータルサイトを最大限に活用できます。
運用する社内ポータルサイトは一つにする
運用する社内ポータルサイトは、一つにまとめることをおすすめします。複数の社内ポータルサイトを運用すると、情報の一元管理が困難です。一つの入口からすべての情報へアクセスできるからこそ、社内ポータルサイトの価値が高まります。
運用しやすいインターフェースデザインを意識する
操作が難しい社内ポータルサイトでは、ITスキルの差によって利用者が限定され、円滑な運用はできません。誰もが迷わず操作できるインターフェースデザインを意識して設計しましょう。
社内のセキュリティの意識を向上させる
社外から社内ポータルサイトにアクセスできることは、利便性が高まると同時に、漏えいリスクも高まります。ルールの遵守や定期的な研修など、社内のセキュリティ意識を向上させることも不可欠です。
まとめ
社内ポータルサイトは、社内の情報を一元化し、必要な情報に迅速にアクセスできる環境を提供する有益なツールです。業務の効率化のみならず、コミュニケーションの活性化やペーパーレス化などにも寄与します。 利便性の高いツールである反面、構築や運用には注意が必要です。目的を明確にしたうえで、運用体制を整えることが大切です。社内のセキュリティ意識を高め、安全かつ継続的な社内ポータルサイト運用を目指しましょう。