
海外のBtoB企業は、サプライヤーとバイヤーをつなぐ「マーケットプレイス型」のプラットフォームを使い、在庫リスクを抱えずに取扱品目を広げ始めています。専門商社・卸売業から製造業まで複数の切り口で整理された海外事例と、その先にある「AIエージェントが調達する時代」への備えを見ていきます。
- Miraklが構築を支援するマーケットプレイスは450以上、出品事業者は10万社を超え、年間取引総額は約150億ドルにのぼる
- 米Toyota Material Handling USA, Inc.などの事例では、マーケットプレイスが商流を維持しながら事業構造そのものを進化させる選択肢になっている
- 複数の海外ユースケースに共通する課題は「カタログデータの管理」と「コミュニケーション」で、AIエージェントが調達・販売に関与する「エージェンティックコマース」への備えが次の論点になっている
海外BtoB企業のマーケットプレイス活用とは
BtoBの商取引は今、構造的な転換点を迎えています。国内でもJ-GoodTechやAccio Workなど海外発のBtoBマッチング事例を紹介してきましたが、今回取り上げるのはフランス発のユニコーン企業Miraklが支援する海外BtoB企業の事例です。
Miraklの日本法人担当者が、グローバル先進企業の事例をもとにBtoBコマースの最前線を業界別・ユースケース別に整理し、AIエージェントが調達や販売に関与する「エージェンティックコマース」時代への備えを論じている。
出典: (ネットショップ担当者フォーラム記事に基づくエムズ編集部の整理)
netshop.impress.co.jp/e/2026/09/28/16655
なぜこの動きが重要なのか。それは、マーケットプレイス化が単なる「売り場の拡大」ではなく、自社が仕入れずに他社の商材をつなぎ、取引そのものを仲介するビジネスモデルへの転換だからです。倉庫に商品を仕入れる代わりにデジタルプラットフォームを構築し、これまで扱いにくかったサプライヤーの品目を拡充していくという発想は、国内のBtoBマッチングサイト運営にもそのまま応用できる考え方ですね。
事例から見える3つのポイント
海外のBtoB企業は、業態ごとに異なる切り口でマーケットプレイスを使いこなしています。なかでも国内のポータル・マッチングサイト運営者が参考にしやすい3つを見ていきます。
- 専門商社・卸売業:在庫を持たずに品目を拡充:サプライヤーとバイヤーの間に入る専門商社・卸売業は、取扱品目を増やしたいが在庫リスクや利益率の都合で簡単には増やせないというジレンマを抱えています。物理的な仕入れではなくデジタルプラットフォーム上で品目を拡充することで、バイヤー側に「この商品がオンラインで買えるなら卸売業者を1社にまとめよう」という動きを促し、新規顧客の獲得にもつなげています。
- 製造業・複合事業体:商流を維持しながら事業構造を進化:米Toyota Material Handling USA, Inc.の事例に象徴されるように、マーケットプレイスは単なる販路拡大策ではなく、商流を維持しながら事業構造そのものを進化させる選択肢になりつつあります。既存の取引先ネットワークを壊さずに、デジタル上で新しい商流を足していく発想が肝ですね。
- 共通課題はカタログとコミュニケーション:複数のユースケースを通じて浮かび上がる共通課題は、カタログデータの管理とコミュニケーションです。出品点数が増えるほど商品情報の整備と、出品企業・購入企業との連絡体制がボトルネックになりやすく、ここをAIで支援できるかどうかが次の競争軸になってきます。
エムズが考える自社サイトへの応用
この事例の核心は、自分で仕入れずに「つなぐ」ことで商流を広げるという発想の転換にあります。海外の先進的なBtoB企業の事例をもとに、マーケットプレイスの活用法と来たるエージェンティックコマース時代に向けて企業が取り組むべきポイントが整理されているわけですが、成功の裏側には在庫を持たない分、カタログデータの正確性と出品者・購入者間のコミュニケーション設計に地道に投資してきたという事実があるんですね。まさに「急がば回れ」で、地味な基盤整備こそが差を生んでいます。
国内でも同じ構造の仕組みはすでに動いています。エムズが構築に携わった『農機こねくと』は、全国のJAと連携するバックエンドを持つ中古農業機械のBtoBマッチングサイトで、運営会社・JA・農家が三位一体で流通する仕組みを実現しました。これはMirakl導入企業が目指す「自社で在庫を持たずにサプライヤーの品目をつなぐ」構造そのものであり、カタログ(機械情報)の正確な管理と出品者・購入者間のコミュニケーション動線の設計が肝になる点も共通しています。こうしたBtoBマッチング基盤の新規構築や、既存ポータルへのAIエージェント的な商談支援機能の追加は、マッチングサイト構築 ×AIで対応可能な領域で、構築実績は構築実績でも紹介しています。
よくある質問
出典・参考
- ネットショップ担当者フォーラム「【海外事例】BtoBコマースの新潮流とは?」 https://netshop.impress.co.jp/e/2026/09/28/16655
※本記事は上記の公開情報をもとに、株式会社エムズ編集部が独自に整理・考察したものです。内容は執筆時点(2026-10-03)の情報です。考察部分は当社の見解であり、特定の製品・導入を推奨するものではありません。
自社に合ったBtoBマッチング基盤を
一緒に設計しませんか
在庫を持たずに取引をつなぐマーケットプレイス型の仕組みから、AIによるマッチング精度向上まで、エムズが構築から運用まで伴走します。ご相談・お見積りは無料です。
無料で相談する →