
2026年版のAI検索白書で、検索ユーザーの約24%——ほぼ4人に1人が、サイトを訪れずAIの回答だけで完結する「ゼロクリック」に該当すると報じられました。別の調査では、AI Overviewが出たクエリで自然検索のクリックが約4割減ったとも。数字だけ見ると青ざめる話ですが、ここには裏があります。浅い疑問がAIに吸われる一方、深く比較したい層はむしろサイトに“純化”しているんですね。ポータル運営者にとっての意味を考えます。
- AI検索白書2026で、検索ユーザーの約24%がゼロクリックに該当と報道。
- AI Overview表示クエリで自然検索クリックが約4割減という調査も。
- 一方で深く比較・検討したい層はサイトに純化。“浅い一覧”の価値が薄れる。
WHAT“4人に1人が来ない”の中身
検索して、AIの回答を読んで、それで満足して終わり。サイトまで来ない「ゼロクリック」が、ほぼ4人に1人に達したと報じられています。多くの情報を一覧で見せて集客してきたポータルにとって、これは足元をすくわれかねない数字です。
報道によれば、2026年版のAI検索白書では、生成AIの回答だけで解決した層と、さらにAI検索へ追加質問した層を合わせて約24%がゼロクリックに該当するとされる。別の実地調査では、AI Overviewが表示されたクエリで自然検索のクリックが約4割減少したという。一方で、購買・比較の意図が強いクエリではAIの要約表示率が低く、深い検討を求めるユーザーはサイトへ流入し続けているとも指摘される。
出典: (博報堂DYone・Web担/ヴァリューズの報道にもとづくエムズ編集部の整理)
oneder.hakuhodody-one.co.jp/blog/ai-search-hakusho-2026-zero
ただ、悲観一色ではありません。「営業時間は?」のような浅い疑問はAIに吸われる一方、「どこがいいか比べたい」という深い検討層は、むしろサイトに残って“純化”していると指摘されています。要は、ポータルが浅い一覧のままか、深く比べられる場になれるかの分かれ道です。
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POINTSポータル運営者への3つの示唆
ポータルサイトの運営者にとって、この二極化は次の3点で無関係ではありません。
- 浅い一覧はAIに置き換わる:価格や営業時間を並べるだけの情報は、AIが要約して返してしまいます。一覧の網羅性だけで集客する時代は、静かに終わりに向かっています。
- 深い一次情報が“来る理由”になる:独自の口コミ・比較軸・体験談など、そのサイトでしか読めない一次情報が、深い検討層をサイトに呼び込む決め手になります。
- 構造化でAIにも引用させる:価格・エリア・条件をAIが正確に読める構造化データで整えるほど、AIの回答に引用され、そこからの来訪も拾えます。守りと攻めの両取りです。
INSIGHT浅い一覧より、深い一次情報で選ばれる
ポイントは、ポータルが「AIに要約される浅い一覧」で終わるか、「そこでしか読めない深い一次情報の場」になれるかですね。玉石混交の情報があふれるほど、玉——本物の一次情報を持つ場が際立ちます。網羅性を競うより、深さで選ばれる。ゼロクリック時代のポータルは、そこに活路があるわけです。
この「深さで選ばれる」を、エムズは実例で作ってきました。医療情報ポータル『メディカルドック』では、歯科・病院・整骨院の3サイトを1つに統合し、バラバラだった記事資産を束ねてSEO評価を一点に集約。“浅い一覧”ではなく、深く調べたい人が辿り着く一次情報のハブに育てました。歯科検索の『シーカー』は、院長紹介動画や領収書提示による“本物の口コミ”で信頼性そのものを差別化に。介護施設検索『みんなの介護』は約8年の伴走で掲載数・記事・検索順位を積み上げ、名実ともに日本一へ届きました。こうしたポータルの企画・構築・改善はポータルサイト構築×AIで、実績は構築実績(1,000件超・9割が5年以上運営)でご覧いただけます。
FAQよくある質問
出典・参考
- 博報堂DY ONE「2026年版AI検索白書が示すゼロクリックの実態」 https://oneder.hakuhodody-one.co.jp/blog/ai-search-hakusho-2026-zero-click
- Web担当者Forum「AI Overviewsでゼロクリック化進む? Google検索流入は41%まで減少(ヴァリューズ調べ)」 https://webtan.impress.co.jp/n/2026/07/02/52880
※本記事は上記の公開情報をもとに、株式会社エムズ編集部が独自に整理・考察したものです。内容は執筆時点(2026-07-10)の情報です。考察部分は当社の見解であり、特定の製品・導入を推奨するものではありません。
AI ERA生成AIが変えたポータル設計の作法
この記事で触れた「ゼロクリック」の流れは、生成AIの普及によってさらに加速していますね。以前のポータル開発は、まずカテゴリ設計をして、そこに情報を流し込む一覧型のCMS構築が主流でした。しかし今は、企画段階からAIツールを使って「ユーザーがどんな問いを立ててその一覧にたどり着くか」を洗い出し、その問いに一段落で答えられるブロックをページ内にあらかじめ用意しておく設計が一般的になってきたわけです。開発工程そのものが「一覧を作ってから最適化する」から「答えを作ってから一覧に配置する」へと順序が入れ替わったと言えるでしょう。
具体的な作り方の変化として大きいのは、ワイヤーフレームの時点でFAQブロックや要約サマリーを固定パーツ化してしまう点です。以前は補足的な扱いだったQ&A欄が、今では一覧ページの中核コンポーネントとして最初から実装される設計に格上げされていますね。あわせて、生成AIを使ってページ内の見出し構成やメタディスクリプションのたたき台を大量生成し、編集者が事実確認と表現調整を行うという分業体制も定着してきました。人手だけで作っていた頃に比べると、情報設計の初速は明らかに速くなっているものの、事実確認の工程は逆に重くなっているという印象です。
SEOの文脈で言えば、Google AI Overviewのようなアンサーエンジンに引用されるかどうかが、これからのポータルの生死を分けるポイントになってきますね。AIに引用されやすい記事には、結論が短くまとまっている、出典や更新日が明記されている、比較表や箇条書きで情報が整理されているといった共通点があります。そのため開発段階から、構造化データ(FAQPage、ItemListなど)の実装をテンプレートに組み込んでおくことが、以前にも増して重要になっているわけです。
ただし、ネット上には玉石混淆の情報が溢れているため、AIに引用されること自体を目的化してしまうと、かえって内容の薄いページが量産されるリスクもあります。あくまで一次情報や独自データを持つことが引用される土台であり、その上でAIが読み取りやすい形式に整えるという順番を崩さないことが大切でしょう。
- 一覧ページ設計時にFAQ・要約ブロックを固定パーツとして組み込む
- 生成AIで構成案を量産し、事実確認は人が担当する分業体制を敷く
- FAQPageなどの構造化データをテンプレート段階で標準実装する
- 独自データや一次情報を明示し、AIに引用される根拠を持たせる
