
ひろぎんホールディングスはデータ分析会社のブレインパッドと共同で、社内報告資料の作成を自動化するAIエージェントのPoC(概念実証)を開始した。Excelや社内データ基盤から情報を取得・整理し、文章・図表・スライド構成を生成してPowerPoint形式に出力する仕組みで、実用化されれば年間7万5,000時間の業務削減を見込んでいるという。
- Excelや社内データ基盤の情報を取得・整理し、文章・図表・スライド構成を生成してPowerPointへ出力する一連の工程をAIエージェントで検証
- 人によるレビューを前提にAIの判断範囲を絞る設計で、実用化されれば年間7万5,000時間の業務削減を見込む
- 広島銀行は既に融資稟議書作成の生成AI機能を全営業店に導入済みで、年間約5,200時間の業務削減効果が見込まれている
WHAT何が起きたのか
ひろぎんホールディングスとブレインパッドは、社内報告資料の作成を自動化するAIエージェントのPoCを開始したと発表した。Excelや社内データ基盤から情報を取得・整理し、文章・図表・スライド構成を生成してPowerPoint形式へ出力する一連の工程を検証する取り組みだ。
人によるレビューを前提にAIの判断範囲を適切に絞り、精度と実用性を高める設計にしている
出典: (ブレインパッド ニュースリリースに基づくnote.com編集部の整理)
note.com/yasuhitoo/n/nf5a2b664477d
ひろぎんグループはこれが初めての生成AI活用ではない。子会社の広島銀行では、行員の折衝記録などをもとに融資稟議書のドラフトを生成AIが自動作成する機能を既に全営業店へ導入しており、年間約5,200時間の業務削減効果が見込まれている。今回の報告資料自動作成PoCは、その延長線上にある取り組みといえる。
POINTSなぜ実用化に近いのか
今回のPoCが実用化に近いと言える理由を、設計の観点から3つ整理する。
- AIの判断範囲を絞ってレビューを前提にする:完全自動化ではなく、人によるレビューを組み込むことでAIの判断範囲を適切に絞っている。これにより精度と実用性を両立させ、現場が受け入れやすい設計になっている。
- 既存の業務基盤・データと連携させている:Excelや社内データ基盤といった既存の仕組みと連携させることで、新たにデータを整備し直す負担を抑えつつ導入できる構成になっている。
- 先行導入の実績が社内の合意形成を後押ししている:広島銀行の稟議書作成AIで年間5,200時間の削減効果が既に見えていることが、今回の報告資料自動化PoCへの投資判断を後押ししたと考えられる。
INSIGHT自社業務への応用ポイント
この事例の要点は、いきなり全社にAIエージェントを解放したのではなく、稟議書作成という一つの業務で先に実績を作り、その成果を根拠に次の業務(報告資料作成)へ広げたことにある。石橋を叩いて渡るように、成果が数字で見える業務から段階的に広げているのが成功要因ですね。
この「一業務で実績を作り、次に広げる」進め方は、エムズがAIシステム構築や既存ビジネスのAI活用で企業を支援する際にも同じ順番で進めています。報告資料やスライド作成のような定型業務は、社内データが整理されていれば比較的早く自動化の効果が数字として出やすい領域で、ひろぎんHDのケースと同じ発想で着手できるわけです。実際にどの業務から手を付けるべきかは、既存の業務システムやデータの持ち方によって変わるため、業務システム構築の視点も合わせて設計するのが定石なんですね。
FAQよくある質問
出典・参考
- note.com「国内AIエージェント動向(2026/8/1号)」 https://note.com/yasuhitoo/n/nf5a2b664477d
- IoTNEWS「ひろぎんHD、生成AIで広島銀行の融資稟議書作成を効率化し年間5,200時間削減へ」 https://iotnews.jp/ai/268514/
※本記事は上記の公開情報をもとに、株式会社エムズ編集部が独自に整理・考察したものです。内容は執筆時点(2026-08-12)の情報です。考察部分は当社の見解であり、特定の製品・導入を推奨するものではありません。
