
エコモットと子会社GRIFFYは、戸田建設と共同開発した車両検知システムの知見を活用し、緊急車両のサイレンなどをリアルタイムに検知する「特定音声検知エッジAIシステム」を2026年9月から提供開始しました。現場実証では検知率98%を達成しており、建物やカーブなど遮蔽物で見通せない建設現場の安全管理を音声AIが補う事例として注目されています。
- エコモット・GRIFFYが戸田建設との共同開発知見を活用し「特定音声検知エッジAIシステム」を2026年9月より提供開始
- 現場実証で緊急車両のサイレン等の検知率98%を達成、工事車両の出庫制御や作業員への注意喚起の自動化に活用
- 前身となる車両検知システムでは識別精度36.4%→99.4%、サイレン検知精度18.9%→98.1%までアルゴリズム改良で引き上げた実績がある
WHATWHAT|何を導入したのか
エコモットと子会社GRIFFYは、生産性向上AIカメラ「PROLICA」で培った技術を音声解析に応用し、屋外用マイクで収集した音声データを事前学習・解析することで、現地のエッジAIが対象音声をリアルタイムに検知する特定音声検知エッジAIシステムを開発しました。戸田建設との共同開発で得た知見を土台にした建設事業者向けの新ソリューションで、2026年9月から提供が始まっています。
緊急車両のサイレン等をリアルタイムに検知し、工事車両の出庫制御や作業員への注意喚起を自動化することで、現場と周辺道路の安全性向上に貢献するとしている。
出典: (GRIFFYプレスリリースの要約に基づくエムズ編集部の整理)
www.dreamnews.jp/press/0000360421
この仕組みが効くのは、画像だけでは検知できない領域を音声が補完する点にあります。建物やカーブといった遮蔽物があると、目視やAIカメラによる画像解析だけでは接近する緊急車両を早期に発見しづらいですが、音は遮蔽物を回り込んで届きます。視覚と聴覚のセンシングを組み合わせることで、検知の抜け漏れを減らす発想が背景にあるわけです。
POINTSPOINTS|検知率98%を支える仕組み
今回のシステムがなぜ検知率98%という高精度に到達できたのか、要点を整理します。
- 前身プロジェクトでの地道な精度検証:戸田建設との共同開発による「特定車両検知システム」では、当初マーカーの識別精度が36.4%、サイレン音の検知精度が18.9%にとどまっていましたが、識別アルゴリズムの改良を重ね、最終的にそれぞれ99.4%、98.1%まで引き上げた実績があります。この積み重ねが今回の音声検知エッジAIシステムに活かされています。
- 画像では検知できない領域を音で補う:建物やカーブなど遮蔽物のある現場では、カメラによる画像解析だけでは接近する緊急車両などの存在確認が困難です。音声検知を組み合わせることで、こうした死角を早期に検知できるようになります。
- エッジAIだからこそのリアルタイム性:現地でAIが音声を処理して検知する構成のため、クラウドとの常時通信に依存せず、工事車両の出庫制御や作業員への注意喚起をその場で自動化できる点も実務上のポイントです。
INSIGHTINSIGHT|自社のAI活用にどう応用するか
今回の事例の肝は、いきなり98%の精度を出したわけではなく、識別精度36.4%からの試行錯誤を経て99%台まで引き上げたプロセスそのものにあります。現場で集めた生データをもとにアルゴリズムを改良し続けたからこそ、実用に耐える検知率にたどり着いたわけで、AI活用の成果は一足飛びには生まれないということを教えてくれる事例ですね。
現場のセンサーデータをAIが解析し、判断や制御を自動化するという今回の仕組みは、業種を問わず応用が利く発想です。エムズのAIシステム構築では、こうした小さなPoCから精度を検証しながら本番運用へ拡張していく進め方を得意としており、既存ビジネスのAI活用でも「今ある業務データや現場の課題からAIで解決の糸口を探す」というアプローチを取っています。紙やハードウェアで運用していた現場の仕組みをクラウド・AI前提に作り直す点は業務システム構築とも重なる部分で、構築実績は構築実績でご覧いただけます。
FAQよくある質問
出典・参考
- GRIFFYプレスリリース「AI音声解析による『特定音声検知エッジAIシステム』を提供開始」 https://www.dreamnews.jp/press/0000360421
- ITmedia BUILT「AIで工事車両と緊急車両を識別、現場周辺の安全性向上 戸田建設とGRIFFY」 https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2510/27/news050.html
※本記事は上記の公開情報をもとに、株式会社エムズ編集部が独自に整理・考察したものです。内容は執筆時点(2026-09-03)の情報です。考察部分は当社の見解であり、特定の製品・導入を推奨するものではありません。
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